Web3時代のつよつよビジネスパーソンを目指すブログ

Web3という大きな波に会社員エンジニアはどう対峙すべきか。クリプト、NFT、DeFi、メタバース…多様な情報に触れ思考したことを発信します。どこにでもいる会社員だからこその、日々の気づき、ビジネスTipsも発信します。

ついにweb3本の決定版が出ちゃったよね~のぶめい本の感想~

「web3って何なの?」と尋ねてくる人に、「まずこれ!」
と薦められる本が、ついに登場です。

 

全体を読んで、「推せるな~!」と思った点を
述べていきます。
 
のぶめいさんのメルマガは、かれこれ1年前くらいに
読者になりました。
Astar Networkの超解説記事に感銘を受け、
ずっといちファンです。
なのでちょっとバイアスがかかっているかもしれませんが、
ご承知おきください。

 

 
棘のある、でも愛がある語り口のメルマガでお馴染み、
のぶめいさんによる一冊。
 
 

網羅的である

なにはともあれ、目次を見てみましょう。

序 章 Web3.0とは何か
第01章 ブロックチェーンとそれを取り巻く世界情勢
第02章 Web3.0業界の構造と基礎知識
第03章 ブロックチェーンの相互運用性とマルチチェーン開発競争
第04章 BaaS市場
第05章 DeFi市場
第06章 Stablecoin市場
第07章 NFT市場
第08章 dApps市場
第09章 Web3.0が目指す組織DAO
第10章 Web2.0とWeb3.0のギャップ(課題や規制)

「web3とは何か?」という大前提から入って
(これが実に明快)
DeFi, Stablecoin, NFT,DAOと、キーワードが満遍なく
網羅されています。
そして、分量のバランスが良きなんです。

これまで読んだいわゆるweb3本だと、
筆者のポジショントーク的に、筆者が関わる領域の
話が長かったり、という印象を受けた本がしばしばでした。
(メタバースも噛んでいる人だと、メタバースもweb3に入れて
長々語られていたりとか)

本書だと、どれかの分野をえこひいきすることなく、
基本のきから入って、今現在のトレンドとしてはこう、
これからの展望はこう、と、過去のことだけでなく
これから何が起こるかについて著者の意見もしっかり
入っている印象です。

フラットな思想である

ポジショントークンにまみれてないよ、という感想と
重複しますが、実に「教科書」に徹している。
それだけに、事実ベースで偏りのない説明がされている印象です。

例えばNFTの界隈では、好みというか、価値観の分断が起こりがち
なところもありますが、俯瞰して全体像を教えてくれています。

 

インフルエンサーのマーケティングありきで村社会になっている
ことに、疑念を持つ人もいる。または、フルオンチェーンNFT
でないJPEGつきNFTを下に見る人もそこそこいます。
なんですが、本書は非常にフラットに、こういうことが
起こった/起きている と説明してくれます。

とはいえ、ところどころのぶめいさんらしい「節」が
あるのも見逃せません。NFTのところではないですが、
プライベートチェーンを「本質的に無意味です」と言ったり笑。
※もちろんコンテクストありきの表現なので、前後は
本書を読んでチェックを。

でも、愛がある

はい、本書の「第10章 Web2.0とWeb3.0のギャップ(課題や規制)」

の後半で特に、著者の内なる思い、読者や世の中への愛が感じ取れます。

 

・定期的な収入がないならまず働こうな、とか
・Web3.0は生き方だ、とか(幸せの軸を持て)
・Web3.0はボトムアップから広がる革命だ

こんなメッセージがある教科書ってあります??
さきほど、「フラットな思想である」と書きましたが、
本章では、著者の想い・意見の純度が高い要素が
敢えて濃密にしてある印象です。
(その分、他の解説は実にフラットなんです。)

ファクトとオピニオンの分離が美しいだけに、
教科書的に読むときはファクト部分を読み、
著者の意見を自分の頭にインプットしてあれこれ
深めたいときは、オピニオンだと認識して
特に最終章を読めばOKでしょう。

 

のぶめい本がWeb3.0の「光」なら、「闇」を知るには

さて、最後に抱き合わせ的にもう一冊の本を紹介します。
のぶめい本は、Web3.0がもたらす「光」の面へ主に
スポットを当てている印象です。
こんな風に社会が変わっていくのか、とわくわくする
気持ちが沸き起こることでしょう。

 

なんですが、Web3.0、正確にはWeb3.0の流れに便乗して
お金稼ぎをしようという「人間の闇」が存在しているのは事実です。
通貨が一番のユースケースとしてあるWeb3.0だけに、
様々な詐欺まがいのビジネスが横行しているのは、否定できません。

 

そんな、Web3.0との向き合え方には気を付けろよ、
と闇の部分を注意せよという啓蒙が多いのが、
世界のエンジニア中島聡さんの一冊。

 

 
Play to Earnや、ICOブームの時の詐欺コイン、
実体のないメタバースなど、現実として発生している
闇の部分にスポットが当てられています。

のぶめい本と併せて読むと、理解がマシマシになります。
 
完璧なテクノロジーなんてものはありません。
というか、テクノロジーはテクノロジーでしかなく、
それを使う人間は、価値のあることだけに使うとも限りません。
中島さんは、闇の面を指摘しつつ、しかし
Web3.0がつくる未来に純粋なわくわくを持っていることは
すごく伝わります。

これからWeb3.0を知りたい・分かりたいと思う人にはそっと、
この2冊を渡すのも良いですね。